2007.05.08 tue | ゴルフボール
連休の初日以来ブラッシングしてなかったので、部屋に朝日が入るとフローリングの上の毛が目立つようになっていた。というわけで帰ってきて猫の毛を取ってみたら、ゴルフボール大に(ぎゅっと握った状態で)。換毛期なのだろうか。
風呂場で毛を取っているんだけど、うちの風呂はせまいので、壁に背をつけ、洗い場の椅子に座って自分の足を伸ばすとそこにはタイル壁があり、ちょうど背中から足の裏まででつっぱるような形になる。そうやって作った二本足の橋の上に猫を載せてやると、彼はまず猫式の挨拶(自分の鼻と相手の鼻を合わせる)をしたあと、のどを鳴らしながら体の右側を僕に向けて横たわる。毛の流れに沿って肩甲骨から尻尾の付け根までブラシをかけると、ブラシの溝には綿菓子のように毛が集まる。ある程度の毛を集め、このままだと半分だけ毛が抜けて色が変わるな、それも面白いかもしれない……と思ったあたりでちょうどよく、彼は立ち上がり、挨拶をするつもりが勢い余って僕に頭突きを一発入れ、今度は左側を向けて寝る。これを繰り返す。綿菓子ゴルフボールの作り方。
彼にとって、毎日ちゃんと留守番してやっているのに帰ってきたと思えばすぐ寝てしまう主に飼われている彼にとって、この儀式は大事なものなんだろうなと思う。彼とは言葉が通じないし、いつまでも同じままでは居られない。そんな中でひとつ、お互いに上手くやれる方法があるんだと思えば、それがわかったんだったら、それは無くしてはいけないことだ。そんなふうに思いながら僕は、骨が出っ張っているところには強くブラシを入れないように、蹴られないように誤魔化しながら腹にもブラシをまわし、様子をうかがい続けている。
風呂場から出てきたら、爪の抜け殻があったのでこっちも手入れしてやった。祖母が遺していった、ちょっと値の張りそうな金色の爪切りを手にして彼を膝の上に載せると、彼は手を差し出して指を開いた。
